四年生引退ブログ

2025.11.27

チアリーディング部Y.N

こんにちは。慶應義塾体育会應援指導部チアリーディング部で広報責任者を務めております、Y.Nです。

 

どこか引退を自分のことだと思えずにいましたが、こうして書き始めてみると、不思議とその実感がじわっと湧いてきました。

 

小学生から高校まで、実に7つもの部活を渡り歩いてきた私は、何かを始めても「自分には向いてない」とすぐ辞めてしまう、そのくり返しでした。

 

だからこそ大学では「一つのことに本気で向き合いたい」と強く思っていました。

 

昔から神宮球場で見てきた應援指導部は、大きな憧れでしたが、自分に自信もなく、誰にも相談できず、ひとりで悩みに悩んでいました。

 

それでも、應援指導部が心から消える事はなく、締切ギリギリに覚悟を決めて飛び込みました。

 

あの日の自分の勇気を、今では誇りに思っています。

 

 

【一年生】

 

仮入部期間が始まってすぐ、大量の踊り動画と歌の音源が送られ、テストがある事が知らされたあの瞬間は正直絶望しかなかったです。

 

授業を切り、トイレの個室で半泣きで自主練したり、数少ないSFCの同期と歌のテストをし合ったのも今では懐かしい思い出です。

 

何事も”なんとなく“で生きてきた私は、踊りの統一点という概念が掴めず、何十回も再チェックになってしまい、どんどん自分に自信を失いかけていました。

 

でも、夜遅くまで練習に付き合ってくれたり、励まし続けてくれた同期のおかげで、かろうじて前に進むことができました。

 

あの時のみんなの支えがなければ、私は一年生で心が折れていたと思います。

 

特に親友のY.Kの存在にこの時から救われていていました。彼女の第一印象は、関西弁で気さくで誰とでも仲良くなれて私と正反対の太陽のような子でしたが、不思議と「この子と仲良くなれそう」と感じていたのを覚えています。豆腐メンタルでいつもクヨクヨしている私に、大量の絵文字を添えたキラキラメッセージで励ましてくれたり、関西ギャグで笑わせてくれたり、いつも温かく守ってくれていて、なんとか部活を続けられていました。こんなに周りをハッピーにさせてくれる素敵な子の一番近くで活動ができている私は本当に運がいいなと思います。(ブログの最後にY.Kへ、って書こうとしたけどなんか恥ずかしいからここでこっそり思いを伝えます!!笑いつも一番の味方でいてくれてありがとう🩷大好き×♾)

 

【二年生】

 

二年生になってようやく、應援指導部の“楽しさ”を実感できるようになりました。

 

とはいえ、私はもともと人前に立つことが大の苦手であった為、平サブ応援では声も小さく、笑顔もぎこちなく、応援後は名指しで反省を下ろされるのが当たり前で、「私は應援指導部にいていいのだろうか」と悩む日も多かったです。

 

そんな時ふと気づいたのは、憧れの神宮球場で踊れるのは当たり前ではないという事です。

 

選手の存在があって、同期に支えられて初めて成り立つ応援がある。その「有り難さ」を噛みしめてから応援に挑むようになると、応援が一気に大好きになりました。

 

前日はチャンスパターンメドレーを流して気持ちをつくるのがルーティーンになり、「早く応援に行きたい」と心から思えるようになった一年でした。

 

【三年生】

 

三年生でスポーツサブを担うようになり、最初に立ちはだかったのは「人前で想いを伝える」という壁でした。

 

全体集合で全部員の前に立つと、頭が真っ白になり、応援への思いや、伝えたい事が一切出てこなくなる瞬間が何度もありました。それが悔しくてメモ帳に台本を書き、まる暗記して臨むこともありました笑

 

サブの仕事には、それだけの誠意を込めたいという思いがあったからです。

 

数あるスポーツの中でも、特に印象に残っているのが初めて担当したスキー応援です。

 

初めての遠征で、雪山での応援も想像つかず不安もあった中、雪国へ向かったのを覚えています。着いてすぐにスキー部のミーティングに参加し、一人ひとりの意気込みや大会への思いを聞く機会をいただきました。スキー部の方々は応援にとても興味を示してくださり、応援ソングのリクエストをくれて一緒に試合を盛り上げてくれたり、試合では熱い戦いと美しい景色を見せてくださりと私の心に一生残る経験をくださりました。心からスキー部の担当ができて良かったと思います。

 

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また、他のスポーツを担当する同期の姿にも多くの力をもらいました。

 

表には見えない苦労を抱えながらも、常に堂々と部員を引っ張る姿は本当に頼もしく、改めて私の同期は凄いな、誇らしいなと思って嬉しくなっていました笑

 

さらに、この一年を充実させてくれた大きな出来事として、妹の入部があります。

 

入部当初は「また私の真似してきたな笑」としか思っていませんでしたが、今まで誰にも言えなかった本音を語り合ったり、練習中に足の太さを確認し合ったり(笑)姉妹でしかできないような日々の小さな日常がいつの間にかかけがえのないものになっていました。喧嘩した後は練習中にこっそり呪いあったりしていましたが、どれも大好きな思い出です!笑

 

彼女は踊りに対する熱が凄くて、家でも体がアザだらけになるまでずっと練習をしていたり、上手な先輩の動画を見返して研究したりしています。練習中にこの人上手!と思ってよく見ると大体妹で、「これ私の妹!」と毎回自慢げな気持ちになっていました。

 

気が付けば、定期的に退部を考えるくらい揺らぎがちだった私の気持ちも安定していて、最後まで部活動を続けられたのは妹の存在があったからだと実感しています。

 

【四年生】

 

四年生になった最後の一年は、とにかく“感謝”が胸いっぱいに広がった時間でした。

 

大好きな同期と過ごす時間はかけがえのないもので、この1年は特に一瞬一瞬を噛み締めていました。応援の前日に皆で衣装を着て寝て写真を送り合ったり、皆で毎日恋みくじを引いて結果報告したり、願いの叶う踊りを一緒に踊ってくれたり、少しスピっていて少し変で、でも誰よりも温かいみんなが大好きです。

 

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また、応援活動を重ねるうちに、プライベートで仲良くしてくれる体育会の友達もできるようになりました。今までは試合で輝いている姿しか見えていませんでしたが、話していくうちに人には見せない悩みや努力がある事を知り、毎回の応援に対する重みが変わっていきました。試合後に応援の声が届いて嬉しかったなどの声を貰えると、ちゃんと誰かに思いが届いていたんだなと嬉しくて“誰かを近くで応援できること”が、こんなにも尊いものだと知れた一年でした。

 

そして、毎日疲れて帰ってくる私をしっぽを振って迎えてくれる愛犬。どんなに無愛想でわがままを言っても、美味しいご飯を作ってくれて、ずっと味方でいてくれる家族には感謝してもしきれません。

 

【最後に】

 

應援指導部に入ってからの四年間は、たくさんの壁にぶつかる日々でしたが、その度に、同期や友人、先輩後輩、そして家族に支えられてここまで続けてくることができました。振り返ると、どんな場面にも必ず誰かの存在があり、それが大きな力になっていました。

 

應援指導部に入ってよかったと素直に思えるのも、周りの人たちのおかげです。一緒に悩んだり笑ったりしながら過ごした時間は、私にとって本当に大切なものとなりました。

 

ここでの経験は、これからの生き方にもきっと影響していくと思います。大げさな言葉では語れないけれど、自分の中に静かに残っていく芯のようなものを、この四年間で得られた気がします。

 

これまで関わってくださったすべての方に、心から感謝しています。本当にありがとうございました。

 

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